春が訪れるにしたがって気温・水温が上昇してくると、いよいよバス釣りのシーズンが到来します。
釣り人の気持ちとしては「ポカポカと暖かくなってきたのでハイシーズンのように釣れそうだぁ!」と思いがちですが、春のバス釣りはそんなに甘くありません。
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春はバスの産卵(スポーニング)シーズンでして、実は1年間で最もバスがデリケートな時期です。
いつも以上にバスの行動をしっかり読んで釣りをしないと、ボウズを食らうこともよくあります…
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今回は、そんな気難しい春バスの釣り方についてまとめました。
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春バスの生態
春はバスのスポーニングシーズンです。
春バスの生態を把握するうえで一番重要なキーワードは「スポーニングの状況」です。
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一般的にスポーニングは水温15℃前後から行われると言われています。
エリアや個体によって差はありますが、水温15℃を目安にバスの「居場所」や「食性」を見極めていくことになります。
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春バスの居場所
春バスは水温の変化によって居場所をコロコロ変える傾向があります。
今回は、①早春、②スポーニング前近、③スポーニング後の3つのパターンに分けて解説します。
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「早春」のバスの居場所
早春とは、1年で1番水温が低い冬を超えて、暖かな陽気や雨で水温が上昇に転じてきたタイミングを指します。
フィールドや暖冬具合によって年々異なりますが、具体的には、水温が10℃前後まで上昇してきたとき(2月中旬~3月上旬くらい)をイメージすると良いと思います。
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水温が上昇に転じてくると、バス達はその変化を敏感に感じ取ります。
早春のバス達は、少しでも過ごしやすいポイントを求めて、次々と越冬場所から水温が高いポイントへと移動を始めます。
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ただし、すべてのバスが一斉に動きだすわけではありません。(いきなり10mのディープからシャローに移動したら、浮袋が膨張してまともに泳げなくなります…)
体力のある大型のバスからシャローへ移動してきます。
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動き方のイメージ的には、越冬場所→ミドルディープ→シャローというように段階的に水温が高いポイントへと移動していきます。
早春に水温が高くなりやすいポイントは、「日照時間の長いシャローフラット」や「温かい雨が降った後の流れ込み」などになります。
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早春は、大型のバスは水温が高いシャローエリアに潜み、その他のバスはシャローに隣接したミドルディープに潜んでいる傾向があります。
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水温が上がってもすぐにバスがシャローに上がってくるわけでは無い。
大きい個体から順番にシャローへ上がってくるので、デカバスを狙って釣りやすい。
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スポーニング間近のバスの居場所
スポーニング間近の時期とは、早春が過ぎて水温が10~15℃になるタイミングを指します。
月で言うと、だいたい3月中旬~4月末くらいになります。(フィールドによって異なります)
この時期になると、スポーニングに絡む大半のバス(体長35㎝以上くらい)はスポーニングを意識し始めます。
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バスのスポーニングはシャローエリアで行われますので、早春の頃にはシャローまで上がりきれずミドルディープに残っていたバス達も続々とシャローに上がってきます。
そしてシャローエリアに上がってきたバス達は、その辺をウロウロしていると水鳥に襲われる可能性もあるので、次々に周辺のカバーやブレイクに着き始めます。
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ですので、スポーニング間近の時期になると多くのバスはシャローエリア(あるいはスポーニングエリア)周辺のカバーやブレイクに潜んでいる傾向があります。
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水温が10~15℃まで上昇すると、スポーニングの本格シーズン到来。
スポーニングに絡む大半のバスは、シャローに上がってくる。
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スポーニング後のバスの居場所
スポーニング後の時期とは、水温が安定的に15℃を超えてきたくらいのタイミングを指します。
月で言うと、だいたい4月下旬~5月末くらいになります。(フィールドによって異なります)
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この時期のバスは、オスとメスの違いによって居場所が大きく異なります。
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オスバスの居場所
スポーニングを終えた後、メスのバスは一仕事終えたかのようにどこかへ去っていきますが、オスバスは産卵床に残り、卵が孵るまで外敵から卵を守ります。
卵が孵るのには1週間くらいかかるので、その間、オスのバスは卵を守るためにスポーニングエリアに居続けることになります。
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春に釣りをしていると「シャローエリアに見えバスがいるけど、ルアーを投げても全然逃げない!?」といったシーンを経験することがあると思いますが、それは単純にオスのバスがルアーから卵を守っているということです。
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卵を守っているバスは基本的にエサを食べないので、ルアーを投げても釣ることはできません。(威嚇のために口を使ってくることはありますが)
頑張って卵を守っているバスがいたら、そっと見守ってあげると良いかもしれません。
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スポーニング後のオスバスは、スポーニングエリアに居続けて卵を守る。
卵を守っている間は、ほとんど捕食しない。(=釣れない)
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メスバスの居場所
メスのバスは、スポーニングという生物として一番重要な任務を終えたばかりで、とても体力を消耗しています。
体力を消耗すると動きが鈍くなりますので、いつまでもスポーニングエリアに留まっていては外敵に襲われる危険性があります。
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メスバスは、卵を守ることはオスのバスに任せて、体を休められる場所(流れの弱いエリアや大規模なカバーの中 など)を探し始めます。
また、メスバスは、失った体力を取り戻さなければならないのでエサも探し始めます。体力がない状態でいきなり素早い小魚を食べることは難しいので、動きの遅いエビ・ゴリ・ムシなどを捕食対象となることが多いです。
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これらを踏まえて考えると、スポーニング後のメスのバスは、動きの遅いエサが豊富に生息している「流れの弱いエリア」や「スポーニングエリアから一段下がったカバー」に潜んでいる傾向があります。
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スポーニング後のメスバスは、体力を極端に消耗している。
流れが緩く、動きの遅いエサが豊富なポイントに身を潜めている。
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春バスの居場所をまとめると…
- 水温が10℃を超えてくるとデカバスから順番にシャローへ上がってくる。
- 水温10〜15℃まで上がってくると、水温上昇に比例してバスのレンジが上がってくる。
- 水温15℃を超えてくるとスポーニングがひと段落し、バスのレンジが少しだけ下がる。
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⇧というのが基本的な考え方です。
ただ、バスの行動はなかなか基本通りには動いてくれないもので、その年やエリアによってもバスの居場所は異なります。
同じフィールドであっても、日当たりが良いエリアと悪いエリア、北風が当たるエリアと当たらないエリアはそれぞれ「スポーニングの状況」は違ってきます。
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実際にバスの居場所を探るには、上記の基本を意識しつつも、そのフィールドのバスの状況を目で見て、居場所を絞り込んでいくと良いでしょう。
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春バスの食性
バスの居場所と同様に、バスの食性も「スポーニングの状況」によって大きく異なってきます。
春バスを攻略するには、食性も必ず押さえておきたいポイントです。
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早春~スポーニング前
早春~スポーニング前にかけてのバス(通称「プリスポーン」)は、スポーニングに備えて体力を蓄えようとするため、荒食いをする傾向があります。
捕食の対象は、水温上昇でバスが活発に動けるようになったので、動きの速い「小魚」などがメインとなります。
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個体によっては早く体力を蓄えるために、かなり大きめのベイトを捕食することも多いです。
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スポーニング後
スポーニング後のバス(通称「アフター」)は、体力を消耗しているので活発にエサを追いかける体力がありません。
捕食の対象は、動きの鈍くて捕食しやすいエビ・ゴリ・ムシなどがメインとなります。
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春バスの釣り方
春バスは「スポーニングの状況」によってコンディションや捕食対象が全然違ってくるので、狙う個体によって釣り方が異なります。
ここでは「プリスポーン」と「アフター」のそれぞれの釣り方をご紹介します。
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プリスポーンの釣り方
プリスポーンのバスは「小魚」を活発に追いかけて捕食しているので、横の動きを意識したルアーがオススメです。
具体的には、「シャッド」や「ロングミノー」や「バイブレーション」といったルアーが有効となります。
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一番オススメなのが「シャッド」の早巻き
「シャッド」は春の定番として有名ですが、実際、春バスにはかなり効果的です。
圧倒的にオススメの使い方は、スポーニングエリアに隣接したエリアでの早巻きです。
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手返し良く広範囲に誘っていれば、プリプリのデカバスに出会える可能性はかなり高いでしょう。
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ただし、早春の時期や三寒四温の寒日ですと、あまり早く巻きすぎてしまうとバスが追い付けない可能性があります。
「ちょっと今日は寒いなぁ」とか「今日はいつもより水温は低いぞ!?」ってときは、早巻きの途中にポーズを入れて食わせの間を作ってあげると、ますます釣果が伸びてきます。
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※ シャッドの使い方についてはこちら⇩もどうぞ。
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春バスが好きなビックベイト
プリスポーンのバスはとにかく早く体力を蓄えようとします。
一番手っ取り早く体力を蓄えるため、大きめのベイトも積極的に捕食します。
シャッドが効きにくいような状況のときは、意外とビックベイトが有効になります。
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ビックベイトは「あまり釣れる気がしない」とか「使いこなせない」とかで苦手意識を持っている方も多いと思います。
それでも、春は年間通して一番ビックベイトで釣れやすい時期なので、苦手意識を持っている方ほど使ってみると良い釣果が出ると思います。
春のバスはルアーを見慣れていないので、案外、簡単にバイトまで持ち込めることが多いです。
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アフターの釣り方
アフターのバスは体力を消耗しているので活発にエサを追いかける体力がなく、動きの鈍いエサを捕食ししているので、必然的に釣り方もスローになります。
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表層ピクピク系でトップゲーム
一番オススメなのが、浮力のあるワームを水面に浮かせて、弱った小魚のようにピクピクと波紋を立てて誘う釣り方です。
春は、ワカサギにとっても産卵シーズンになっていて、産卵後のワカサギは体力を失って水面でピクピクしていることが多々あります。
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動きが鈍いアフターのバスにとって、表層の弱ったワカサギは格好のエサになりますので、表層ピクピク系の釣り方はとても有効です。
ちなみに、「私が通っているフィールドにはワカサギがいないよ!」という方も多いと思いますが、表層ピクピク系の釣りはムシ的な要素(アピール力はムシ以上)もありますので、そういった方にもオススメの釣り方です。
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水面直下をi字系ルアーで誘う
波動やフラッシングを抑えたi字系ルアーでナチュラルに誘う釣り方です。
使い方のイメージは、産卵後のワカサギが体力を失い、群れからはぐれてフラフラしている様子を想像すると良いです。
動きが鈍いアフターのバスにとって、表層の弱ったワカサギは格好のエサになります。
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また、シャローに浮いているバスは、釣り人のプレッシャーを受けていることが多々あり、ルアーが発する波動を嫌う傾向にあります。
そんなタフなバスほど、波動やフラッシングを抑えて「スゥー」と自然にi字引きすると、突然にバイトしてくることが多いです。
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なるべく一定のリズムでスローに巻いてくると、ゆっくりと後ろからバスが追尾してきて、そのままついばむ様にバイトしてくることが多いです。
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ネコリグでスローに誘う
とにかくスローに誘う釣り方にはネコリグが最適です。
アフターのバスは比較的捕食しやすい甲殻類やゴリを多く食べています。
そういったベイトをイメージして、ネコリグでネチネチと誘うと動きの鈍いアフターのバスでもバイトに持ち込むことができます。
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※ ネコリグの使い方についてはこちら⇩もどうぞ。
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春バスに効くおすすめルアー
ジャッカル/ソウルシャッド
多くの方が愛用しており、圧倒的な人気を誇っているシャッドです。
この「ソウルシャッド」の一番の特徴は、絶妙な重量バランスによりスイム姿勢が抜群に安定していることです。
早巻きをしてもアクションが乱れることもなく、安定してアクションし続けます。
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さらに、アクションの動き出しが早いのも特徴で、着水からすぐにバスを誘い続けてくれます。
サイズ展開が豊富(45㎜、52㎜、58㎜、62㎜、68㎜)なので、フィールドのベイトフィッシュに合わせて最適なサイズを選ぶことができます。
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どのシャッドを購入するか迷ったときには「ソウルシャッド」を買えば間違いないと思います。
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O.S.P/マイラーミノー
小魚のようにリアル感で、浮力の高いワームです。
ワームの内部にフラッシングを発生させるパーツ(マイラーチューブ)が仕込まれているので、ロッドアクションを加えると、絶妙にキラキラしてバスを誘います。
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また、ボディーシェイプにもこだわっており、繊細なテールアクションを発生させるのでスレバスも違和感なく口を使います。
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ノーシンカーで使用すれば、弱ったワカサギのように水面に浮くことができるので、表層ピクピクアクションをしたいときにピッタリのルアーです。
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O.S.P/アイウェーバー
ナチュラルなアクションができるi字系のルアーです。
ルアーの真ん中あたりにジョイントがあり、波風の影響を受けるとユラユラと漂いながら動くので、その姿は釣り人も弱った小魚と見違えるほどです。
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また、小ぶりサイズながらトリプルフックが2個ついているので、i字に多いすっぽ抜けやジャンプバレなどが激減されています。
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バスがワームに見向きもしないときや、フラッシングを抑えたi字引きをしたいときにピッタリのルアーです。
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TIMCO/グリマー
シンキングするミッドストローリング(ミドスト)専用のルアーです。
ロッドを細かくシェイクしながらミドストをすると、他のルアーには出せないフラッシングローリングアクションを発生させます。
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一般的にミドストは、ジグヘッドワームで行われますが、それだとバスがバイトしてもすっぽ抜けすることが多いです。
しかし、グリマーはトリプルフック+背中ダブルフックを搭載しているので、バスのバイトを逃さず確実にフッキングすることができます。
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また、ハードプラグだからこそ起こせる水流やフラッシングがあり、小ぶりなルアーながら抜群の集魚力を宿しています。
バスが散っているときや、i字引きよりも少しアピール力を高めて誘いたいときに有効なルアーです。
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ガンクラフト/ジョインテッドクロー
言わずと知れたビックベイトの代名詞的なルアーです。
このルアーにはリップがないので、他のルアーは出せないS字アクションを演出します。
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また、ジョイクロ特有のS字アクションはとにかく水押し力が強く、さらにルアーサイズが大きいことと相まって、遠く離れたバスも引き寄せる集魚力があります。
全くバスがいそうもないポイントでもこのルアーを投げると、どこからともなくバスが湧いてくるので、サーチベイトとしても抜群の能力を備えています。
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バスの居場所が分からないときや、捕食しているベイトが大きいときに有効なルアーです。
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まとめ
春バスの生態や釣り方について、イメージを持つことができたでしょうか。
「春」というシーズンは、「水温」や「スポーニングの状況」によってバスの居場所やコンディションが大きく変わってきます。
そのことをしっかりと理解したうえで、実際のフィールドの状況を見ながら予測し判断していかないと、春バスを釣ることは難しくなってしまいます。
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春のバス釣りでは、他の季節以上に「今バスがやりたい事」・「バスが食べたいもの」を考えてあげなければなりません。
いろいろ考えながら釣りをするのは難しいかもしれませんが、その分、春に釣れるバスはとてもキレイでコンディションが良い個体ばかりです。
本当に一度釣れたらハマると思います。
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是非、ビックバスを求めて春のバス釣りを楽しんでいただければと思います。