2000年代初頭くらいから流行りだした「ベイトフィネス」。
現在、この「ベイトフィネス」というジャンルは、1つの釣りスタイルとしてすっかり定着しました。
そのため、各メーカーからは多種多様の「ベイトフィネス」の専用リールが発売されていて、どれを買えばいいか迷ってしまうこともしばしば…
そこで今回は、購入検討中の方にとって少しでも参考となるように、オススメできる「ベイトフィネスリール」についてご紹介します。
「ベイトフィネス」とは?
簡単に言うと、ベイトフィネスとは「ベイトリールで軽いルアーを扱うこと」を言います。
従来、軽いルアーを使うときはスピニングリールで扱うのが一般的でした。
ベイトリールは、ある程度重量のあるルアーを投げるときだけ使用することが多かったわけです。
しかし、時が経つにつれてベイトリールの性能が向上したことで、ベイトリールでも軽いルアーを投げられるようになりました。
そこで、「ベイトフィネス」という新たなジャンルが誕生しました。
「ベイトフィネス」のメリット
「ベイトフィネス」のメリットは、ベイトリール自体が持っているメリットと基本同様です。
今までスピニングリールを使っていたときの悩みが解消されています。
スピニングリールでは攻められないカバーを攻められる
「ベイトフィネス」ではスピニングよりも太いラインを巻くことができます。(8lb前後)
そのため、今までスピニングリールで攻められなかったカバーも攻めることができます。
手返し良くキャストできる
スピニングリールはキャストするまでの工程が多いので、どうしても手返しが悪くなります。
しかし、「ベイトフィネス」ではベイトリールを使用するので、手返し良いキャストが可能です。
特に近距離をピッチングでカバー撃ちをするときは、キャスト効率に大きな差が表れます。
ラインの糸ヨレが気にならない
スピニングリールを使用していると、少しずつ糸ヨレが溜まってきて、一定以上になるとライントラブルが発生します。
スピニングリールのライントラブルはとても厄介で、簡単に直すことはできません…
しかも、糸ヨレを解消しない限り、1度直してもすぐに再発します。
一方、ベイトリールは糸ヨレにとても強いです。
糸ヨレしやすい軽いルアーを1日中投げても、糸ヨレによるライントラブルはほとんど発生しません。
「ベイトフィネスリール」に求められる性能
「ベイトフィネス」では、軽いルアーを投げる必要があります。
「ベイトフィネスリール」には、軽いルアーをストレスフリーで投げれる以下の性能が求められます。
スプールが軽量であること
軽いルアーを投げるには、スプールが軽量じゃないとまともに飛んでくれません。
スプールの重量は、軽ければ軽いほど良いです。
最低でも9g未満でないと、まともに使うのは難しいでしょう。
ネットを見ると「ベイトフィネス専用機」や「自重◯◯◯gの超軽量リール」などという宣伝文句で販売している安物リールがあります。
そのようなリールのスペック表をよーく見ると、「リール自重」は軽いのですが「スプール重量」が重い(もしくは「スプール重量」を明記していない)場合があります。
どれだけ「リール自重」が軽くても、「スプール重量」が重ければベイトフィネスはできません!(軽いルアーはまともに投げれません!)
「リール自重」が軽いだけの安物には、騙されないようにしましょう。
スプール径が小さいこと
スプール径が小さければ小さいほど、軽い力でスプールが回転します。
軽いルアーを投げるには、なるべくスプール径が小さいことが求められます。
最低でもスプール径33mm以下でないと、まともに使うのは難しいでしょう。
(ちなみに、一般的なベイトリールのスプール径は34mm程度です)
リール自体が軽量であること
「ベイトフィネス」は軽いルアーを扱う釣り方なので、繊細なロッド操作が必要です。
リール自体が重いと、ロッド操作が重たくなるので、繊細なロッド操作が難しくなります。
繊細なロッド操作にはタックルが軽量であることが必要ですので、ベイトフィネスリールも必然的に軽量であることが求められます。
各メーカーの「ベイトフィネスリール」を比較しました【ランキング入り】
【第1位】シマノ/16アルデバランBFS
出典:シマノHP
現在販売されているBFSリールの中で最軽量のリールです。(自重130g)
圧倒的な軽さによって軽快なロッド操作が可能となり、通常のリールであれば感じ取れないようなショートバイトも取ることが可能です。
リール自体が単純に軽いだけではなく、スプールの軽さもトップクラス。(7.2g)
軽量スプールによりスプール回転の初速が早いので、軽量ルアーも抜群に扱いやすいです。
ブレーキについては、シマノのリールとしては珍しい「マグネットブレーキ(FTB(フィネスチューンブレーキシステム))」を採用。
これまでシマノはマグネットブレーキを開発してこなかったので完成度にやや不安があったのですが、全く問題なし。
しかも、マグネットは取り外し可能なので、使用ルアーやアングラーの癖に合わせた細かいセッティングが可能です。
FTBにより軽量ルアーもストレスなくキャストすることが可能です。
「とにかく軽いベイトフィネスリールが欲しい!」という方にオススメです。
自重 | 130g |
スプール重量 | BB除くスプール重量7.2g |
スプール径 | 32mm |
ギア比 | 6.5、8.0 |
ブレーキタイプ | マグネット(無段階) |
飛距離 | ★★★★☆ |
扱いやすさ | ★★★★☆ |
値段 | 46,000円 |
【第2位】ダイワ/T3AIR
出典:Daiwa HP
とにかく抜群の飛距離を誇るリールです。
最大の特徴は、キャスト時のレベルワインダ―の抵抗を抑える「TWS(Tウイングシステム)」を採用していること。
「TWS(Tウイングシステム)」により、キャスト時に発生するレベルワインダーへの抵抗を極限まで減らすことが可能となり、圧倒的なライン放出力を実現しています。
スプール重量は、現在販売されているBFSリールの中で最軽量。(6.9g)
「超軽量スプール」と「TWS(Tウイングシステム)」の相乗効果により、軽量ルアーもストレスなく飛んでいきます。
ブレーキも細かく設定可能なので、状況に合わせた最適なセッティングを出すことが可能です。
ただし、高い性能の副作用として、根掛かりしたときなどに無理な力を加えてしまうとレベルワインダーが壊れる可能性があるので注意が必要です。
「軽いルアーも飛距離を出せるベイトフィネスリールが欲しい!」という方にオススメです。
自重 | 160g |
スプール重量 | BB除くスプール重量6.9g |
スプール径 | 32mm |
ギア比 | 6.8、8.6 |
ブレーキタイプ | マグネット(3モード×20段階の60段階) |
飛距離 | ★★★★★ |
扱いやすさ | ★★★☆☆ |
値段 | 58,000円 |
【第3位】ダイワ/SSエア
出典:Daiwa HP
軽さと扱いやすさを高次元で両立したリールです。
ダイワのフラッグシップモデル「STEEZ」と「T3 AIR」の良いところを融合したようなリールであるとイメージすると良いでしょう。
重量は、BFSリールの中で最軽量の部類に入る145g。
それでいて「STEEZ」譲りの高い剛性を備えています。
さすがに「16アルデバランBFS」まで軽くはないものの、軽快なロッド操作を行うのに十分な領域に到達しています。
スプールは、剛性の高い「G1ジュラルミン」を採用しており重量は6.9g。
「T3AIR」と同等のスプール重量であり、1g程度のルアーのキャストも可能です。
「軽さ&扱いやすさ&剛性感がバランスよく備わっているリールが欲しい」という方にオススメです。
自重 | 145g |
スプール重量 | BB除くスプール重量6.9g |
スプール径 | 32mm |
ギア比 | 8.1 |
ブレーキタイプ | マグネット(20段階) |
飛距離 | ★★★★☆ |
扱いやすさ | ★★★★☆ |
値段 | 46,700円 |
【第4位】アブガルシア/REVO LTZ AE74-Racing(レボ LTZ AE74-レーシング)
出典:ピュア・フィッシング・ジャパン株式会社HP
今江克隆プロデュースのベイトフィネスリールです。
今江プロによるブレーキチューンが施されており、専用ベアリング、スペアシャロースプール付属しています。
汎用性が高いことが特徴的で、トーナメントユースから陸っぱりまで幅広く使用できます。
また、高性能の割には値段がお手頃なのも嬉しいポイントです。
「コスパが良いリールが欲しい」という方にオススメです。
自重 | 163g |
スプール径 | 33mm |
ギア比 | 8.0 |
ブレーキタイプ | マグネットブレーキ |
飛距離 | ★★★☆☆ |
扱いやすさ | ★★★★☆ |
値段 | 37,700円 |
【第5位】シマノ/カルカッタコンクエストBFS
出典:シマノHP
ベイトフィネス初となる円形リールです。
「カルカッタコンクエスト」の名に恥じない「耐久性」と「上質な巻きごごち」が最大の特徴です。
もちろん、駆動部にはマイクロモジュールギアをしっかり搭載。
まさに「カルカッタコンクエスト」の良いところをそのまま残したベイトフィネスリールと言えます。
ブレーキシステムは、「16アルデバランBFS」と共通のFTB(フィネスチューンブレーキシステム)を採用。
マグネットは取り外し可能なので、使用ルアーやアングラーの癖に合わせた細かいセッティングが可能です。
軽量ルアーであってもストレスなくキャスト可能です。
小型のシャッド・ポッパーなどの「ライトプラグ」を扱うには最高のリールです。
自重 | 200g |
スプール重量 | BB除くスプール重量7.5g |
スプール径 | 32mm |
ギア比 | 6.8 |
ブレーキタイプ | マグネット(無段階) |
飛距離 | ★★★★☆ |
扱いやすさ | ★★★☆☆ |
値段 | 54,000円 |
【第6位】シマノ/スコーピオンBFS
出典:シマノHP
コスパの良いことで人気のある「スコーピオン」シリーズのベイトフィネス仕様です。
自重・スプール重量などはハイエンドモデルに届かないものの、実用十分な性能を兼ね備えています。
ブレーキシステムは、ハイエンドモデルの「16アルデバランBFS」と共通のFTB(フィネスチューンブレーキシステム)を搭載。
細かいブレーキ調整が可能なので、軽量ルアーでもストレスなくキャストできます。
ソルトウォーターでも使用可能なので、幅広い用途で使えるもの魅力の1つです。
リーズナブルな価格なので、入門モデルとしては最適の1台です。
自重 | 165g |
スプール重量 | BB除くスプール重量8.9g |
スプール径 | 32mm |
ギア比 | 6.3、8.2 |
ブレーキタイプ | 6~8個のマグネット(無段階) |
飛距離 | ★★★☆☆ |
扱いやすさ | ★★★☆☆ |
値段 | 35,000円 |
まとめ
「ベイトフィネスリール」は、軽量ルアーを繊細に扱うことが求められるため、通常のベイトリールよりも高い性能が必要です。
ウエイトのあるルアーなら、どんなリールでもバックラッシュせずにキャストできますが、軽量ルアーだとそうはいきません。
快適なベイトフィネスを行うためには、やや高価であったとしても高性能のリールを買うことをオススメします。
また、ときどき「ベイトフィネス専用機」などという宣伝文句で販売している安物リールがありますが、これには十分に注意してください。
購入するときは、「リール自重」や「値段」だけで判断するのではなく、「スプール径」や「スプール重量」もしっかり確認することが必要です。
余談になりますが、私自身も初めて買った「ベイトフィネスリール」は、リール自重の軽さだけに惹かれて購入した安物リールでした。
そして、実釣で軽量ルアーを投げてみたところ、「キャストはまともに飛ばない」&「バックラッシュ多発」という悲惨な状況。
このときに私は「ベイトフィネスなんてやってらんねー!」と完全に心が折れてしまいました。
この後、しばらくはベイトフィネスと距離を置いていたのですが、たまたま家の片付けをしているとき、そのリールのスペック表を確認する機会がありました。
すると、スプール重量がなんと12g以上ありました…。
これではどんなに凄腕の方であってもまともに飛ぶはずがありません。
結局、そのリールは使い道もなく処分することになってしましました。
完全に「安物買いの銭失い」です。
このように安物リールを買うと、まともにベイトフィネスができないだけでなく、本当のベイトフィネスの良さを知らずに諦めてしまう可能性があります。
ぜひ、自分の釣りスタイルに合った最適な「ベイトフィネスリール」を選んでいただければと思います。