今回は、エヴォテックの24Vリチウムバッテリー(SE-24900)を実際に使ってみて、気づいたことや感じたことをご紹介します。
購入を検討している方などのご参考になれば幸いです。
- 品番:SE-24900
- 電圧等:24V 90Ah 2400Wh
- 最大電圧:29.4V 下限電圧:21.0V
- 上限消費電流:200Ah
- 安全装置:過充電・過放電・過電流
- 使用前例:24V エレキモーター
- 寸法:328(横)×170(幅)×212mm(高)
- 重量:15.0±0.5kg
エヴォテックの24Vシリーズの中で、一番容量が大きい商品です。
この品番からは、バッテリー上部にグレー蓋のようなものが付いていて、既存モデル(全面ブルーのもの)よりも防水機能が向上しています。
気になるお値段は、単品216,480円、充電器付き253,726円という結構な高額…
ただ、リチウムの場合、万が一、バッテリー切れを起こしてしまうと、エレキが全く動かなくなります。
この点を踏まえると、バッテリー残量を気にせずに安心して使える一番容量が大きいものを選びました。
実際に使用して感じたこと
レンタルボートで1年以上使用してみた中で、色々と良かった点・悪かった点を感じました。
良かった点
荷物運搬がラク
やっぱり一番良かったのは、ボートの準備、片付けが楽になったことです。
今までバッテリーを2個運んでいたのが1個で済むようになったことで、準備片付けの時間が短くなり、身体への負担もかなり軽減されました。
一般的に使われているボイジャーのバッテリーですと、 1個25kg以上ありますので2個だと50kg以上になります…
この2個で50kgのバッテリーが、1個で15kgになるということは、 革命的に素晴らしいです。
また、普通に考えると、早朝から50kgもあるバッテリーを運ぶことは身体に良くない(いつか腰を痛めそう…)と思うので、身体の健康面からもだいぶメリットがありました。
エレキが速くなった
当方、モーターガイドX5の24V80lbを使用していますが、 全体的にスピードが速くなりました。
理由としては、
① 満充電時の電圧が高い
多くのリチウムバッテリーでは、満充電時の電圧が規定電圧よりも少し高めに設定されています。
今回購入したSE-24900の場合は、規定電圧24Vに対して、満充電時の電圧は29.4Vに設定されていました。
② 船体重量が軽くなった
今までボイジャーM27mf2発(55kg)だったのが、リチウム1発 (15kg) になったので、約40kgも軽量化されました。
もちろん、単純にバッテリーを新調したことによる影響もあるとは思いますが、体感的には明らかにスピードアップしました。
エレキが遅くならない
これもリチウムの特徴ですが、エレキのスピードがタ方になっても朝一とほとんど変わりませんでした。
バッテリー残量が残り僅かになると若干のスピードダウンは感じられますが、全く気になるレベルではありません。
鉛バッテリーですと、タ方になるとエレキのスピードが垂れてきて、釣りのリズムが悪くなることもあります。
しかし、リチウムの場合はその心配は無く、 タ方でもキビキビと移動できます。
長寿命
メーカー公表のサイクル数が約1500~2000回と、 とても寿命が長いです。
仮にサイクル数が1500回として単純計算する
- 月10回釣行する場合 → 寿命約12年
- 月5回釣行する場合 → 寿命約25年
- 月4回釣行する場合 → 寿命約31年
- 月3回釣行する場合 → 寿命約41年
- 月2回釣行する場合 → 寿命約62年
- 月1回釣行する場合 → 寿命約125年
一般的なサラリーマンアングラーであれは、ほぼ一生使える計算になります。
一生分の買い物と考えれば、リチウムの値段もある程度許容できるかもしれません。
充電時間が早い
鉛バッテリーと比べて、とにかく充電時間が早いです。
当方が鉛バッテリーを使用していた時と比べると、 およそ半分くらいの時間で充電が完了しています。
当然、バッテリー残量や充電環境によって違いはあると思いますが、充電時間が早いことは間違いなさそうです。
連日釣行する際には非常にありがたいですね。
悪かった点
船体バランスが悪化
バッテリーの軽量化によって船尾が軽くなったので、ややフロントヘビーになってしまいました。
やはり、40kgも軽量化されると船体のバランスが変わってしまいます。
あまりフロントヘビーになってしまうと、 航行時に船首が水を切って進むような状態 (水の抵抗を思いっきり受ける状態)になり、船速が出にくくなります。
なので、荷物を船尾の方に寄せてみたり、船首にある無駄なものを取っ払ったりして、船体バランスを整える必要が発生しました。
充電切れになると悲惨
今まで一度だけ充電切れを起こしましたが、本当にエレキがピクリとも動かなくなりました。
リチウムしか動力源がない場合、完全に身動きがとれなくなります。
幸い当方はエレキ2機掛けだったので、リアのハンドコンで帰着できましたが、もし、ハンドコンがなければ救助が必要になります。(万が一、携帯が圏外だったらと考えると恐ろしいですね…)
普通に釣りしていれば充電切れを起こすことは少ないと思いますが、ある程度の充電残量のチェックは必要になりそうです。
ラフに扱えない
それほど悪い点ではありませんが、鉛バッテリーほどラフに扱えなくなりました。
リチウムは基本的に完全防水ではないので、 原則、防水ケースに入れて使用する必要があります。
また、万が一、プラスとマイナスを逆に取り付けてしまうと、 バッテリー内部で回線が遮断されてしまうので、業者に持ち込まないと再使用ができなくなります。
さらに、稀なケースですが、盗難という話もあるので、この点も気になると言えば気になりますね。
鉛バッテリーのように、天候を気にせずラフに使用するというのは難しそうです。
あると便利なもの
前述の通り、リチウムは基本的に完全防水ではないので、 原則、防水ケースが必要になります。
そのため専用品が販売されていますが、まあまあいいお値段です。
なので、防水ケースとして使えそうなものをご紹介します。
NOCO HM327BK バッテリーボックス
SE-249000は、ボイジャーM27MFとほぼ同じサイズなので、ボイジャー用のボックスが使用可能です。
ボイジャー用のボックスは、比較的安く販売されているので、流用するのもオススメです。
専用設計と思ってしまうほど、サイズ感はぴったりです。
まとめ
リチウムは非常に高額な商品ではありますが、相応のメリットがあります。
特に、準備・片付けが大変なレンタルボートアングラーにとっては、非常に重宝されると思います。
実際、当方もレンタルボートメインで釣りをしていますが、リチウムにしたことで快適に釣りができるようになったことはもちろん、 釣行後の疲労感が軽減されました。
一生使えるくらい長寿命である点も踏まえると、現時点では購入して非常に良かったと感じています。
また、あくまで現状ではありますが、リチウムはリセールバリューが高いです。
万が一、不要になることがあっても高値で売却できるので、購入しても大損することはなさそうです。
購入検討にあたり参考にしていただければ幸いです。